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Channel: 会計進化論。
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ある日本で1番暑い日に

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 暑い夏が今年もやってきました。どうして、税理士試験は一番暑い夏に行うんだろう・・・。試験会場はすでにひとであふれ、ますます暑さが増すようでした。それでも昔は、エアコンがついていなくて当然だったため、気をつけないと、汗で答案用紙がべたべたになったほどでした。それに比べたら、まだいいのかもしれません。


雪うさぎ「・・・」


 試験は終わり、手ごたえはありました。

 しかし、どこか言い知れぬ虚しさも感じていました。


雪うさぎ「これから、どうしよう」


 試験に合格する、しないにかかわらず、受験が終わったら就職活動をする予定でした。試験会場周辺でも、就職関係のパンフレットやうちわを配っている人もいます。


 ユキコは、わき目も振らずに、地下鉄を目指しました。



ヒヨコ「う~~ん」


 まさかあの理論が出るとは・・・。

 何とか書いたものの、ひよこくんが書いた答えは、あとで確認してみると、原則と特例が逆でした。


ヒヨコ「う~~ん」


 4月から西京市に来ていましたが、受験は例年通りの方がいいだろうと思って、那古野市で受けることにしていました。勉強時間はニワトリ氏の配慮でむしろ多くなっていましたが、いざ問題を見てみると、つめが甘かった、と思うばかりでした。


ヒヨコ「まあ、気持ちを切り替えて、またがんばるか」


 ひよこくんも、地下鉄の駅を目指しました。



 駅の構内はごった返していました。そして、ようやく到着した電車に、ユキコが乗り、そして続いてひよこくんが乗りました。電車の中は、帰る受験生でいっぱいになり、吊り革もすぐに埋まってしまいます。



 『この先、電車、揺れますので、ご注意ください』



 アナウンスがあったかと思うと、電車はぐわりと、揺れました。その揺れで、ユキコは前の人が肩から提げていたカバンが顔にぶつかり、めがねを落としてしまいました。



雪うさぎ「あ、メガネ・・・」

ヒヨコ「あ、大丈夫ですか?」



 ひよこくんはたまたま視界に入ったその光景を見て、メガネを拾い上げました。


ヒヨコ「どうぞ」

雪うさぎ「すみません、ありがとうございます」



 ・・・とまぁ、これが、ひよこくんとユキコの初めての出会いだったのですが、電車の中の一瞬の出来事でしたので、後に二人が出会ったときも、この日のことは二人とも記憶には残っていなかったのでした。



                                 第1部・完



【最後なので長めの補足】


 この投稿をもちまして、しばらく連載はストップします。

 今まで拙い文章をご愛読ありがとうございました。

 第2部を書くかどうかは、税理士になってから考えることとします。



 第1部で書きたかったのは、税理士という環境の変化です。


 別のブログでは、「税理士 年収」「税理士 給料」といった検索語句でやってくる方が非常に多く、「大丈夫かな」と少し不安に思っています。



 雑誌を見ると、税理士というのは、資格を取れば、さも、高収入が稼げるように書かれていますが、では、その人がそれを一生の仕事としようと思ったときに、税理士という資格がなくなることを想定しているのだろうか、と考えてしまいます。


 もちろん、なくなるかどうかはわかりません。



 しかし、実質的になくなる時代は、来る、と私は考えています。


 そのときに考えても、遅いという危機感から、このブログとあわせて、もう1つのブログを異なる視点から書いていました(そういう意図で、2つのブログは書かれています)。



 それに対するこのブログの結論は、すでにお読みいただいている方は、ご理解いただいていると思います。


 キーワードは、「○○○○○」ですね。



 税理士業は「先先と呼ばれて威張る」業じゃない、他と同じ「サービス」業だ、という考え方がありますが、もう一歩進んで、普遍的なことを言えば、「○○○○○と言ってもらえることをし続ける」業だと私は考えています。



 そんなの当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、今のご時勢は、その当たり前のことが守られない残念な出来事がたくさん起こっています。食品の偽装問題を考えていただければ、それは決して食品メーカーだけの問題ではないことが容易に想像がつきます。


 初志は立派でも、ちょっとでも「これくらいなら」という気持ちが起こった瞬間に、すべては狂い始めます。税法をはじめとする法律を使う税理士、会計事務所にとって、それがどれだけ致命的かは、もしかすると、すべてが狂うまで、本当の意味では気づけないかもしれません。




 蛇足ですが、もう1つのブログのキーワードは、「○○○○」です。


 年度末になると、予算を消化するために各地で不可思議な道路工事が行われます。きれいな道路なのに、それをひっくり返してつぎはぎだらけにします。


 みんな○○○○なぁ、と思いながら、同じような光景が繰り返されています。


 最近の税制改正は、近所の道路工事のように意味のわからない改正が多く、また、その改正の仕方もつぎはぎだらけの状態になって、税法が泣いています。


 でも「○○○○」ことを「○○○○!」と言うためには、何が○○○○か、どうして○○○○のかを知っていなければなりません。そのためには、過去の経緯であったり、現状を知る必要があります。


 しかし新聞などを読んでいても、「流行」には詳しくなれますが、本当の基礎基本はなかなか身につきません。そこで、流行に流されないブログづくりを心がけてきました。


 納税の義務だけが強化され、納税の権利がないがしろにされている世の中で、何を本当に問題としなければならないのかを、考える材料になれば幸いです。



 さて、長くなりましたが、皆様の今後のご活躍を祈念しておりますヒヨコ





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